がん治療への取り組み
当院は特に肺がんについて三大標準治療とされる「手術療法」、「抗がん剤治療(化学療法)」、「放射線治療」を1つの医療機関で行える県内でも数少ない民間医療機関であり、日本がん治療認定医機構が定めるがん治療認定医認定研修施設となっております。
呼吸器内科専門医による精査、常勤の病理診断専門医による迅速病理細胞診断、あおもりPET画像診断センターと連携した画像診断など、精密検査から診断、「痛み」のコントロールを含む治療までを総合的に実施しております。
手術療法
県内でも数少ない呼吸器外科専門医による肺がんの手術を 実施しております。令和元年度の肺がん手術件数は 20 件 となっております。また消化器外科専門医による消化器が ん(胃がん、大腸がん、肝がん、乳がんなど)の手術を幅 広く実施しております。消化器がんの手術では主治医の判 断により、「腹腔鏡」と呼ばれる内視鏡を用いる傷口が小さ くて済む手術を行うこともできます。
抗がん剤治療(化学療法)
当院ではおもに肺がん患者様に対して内服薬、注射薬など様々な抗がん剤を用いた化学療法を行っ ており、肺がんの化学療法は呼吸器専門医が担当しております。外来で注射薬を使って行う抗がん 剤治療は「外来化学療法室」という専用のお部屋で快適に受けることができます。副作用の心配の ある方は入院での化学療法を行っております。令和元年度の実施件数は 775 件となっております。 また、院外のがん治療認定薬剤師さんと連携して、治療後の辛い体に配慮したお薬の配達と共に療 養上の相談や不安ないし悩みなどを自宅で聞いてくれる「訪問薬剤指導」を受けることもできます。
放射線治療
放射線治療専門医による「リニアック」とよばれる最新の放射線治療機器を用いた治療を実施 しております。当院では津軽地域および西北五地域の乳がん手術後の患者様に対する放射線治 療を最も多く行っております。さらに原発性肺がんや転移性脳腫瘍など様々な箇所の治療も行 うことが出来ます。令和元年度の患者数は 190 人 となっております。
「痛み」のコントロール
がんの「疼痛」とは、身体的及び精神的な「痛み」のことを指します。当院ではがん治療中の早い 段階から身体的な痛みのコントロールを、お薬を使って行うことが出来ます。痛みを我慢する必要 はありません。そのほか、精神的な辛さを和らげたり、経済的な悩みの相談に応じるなど、身体的 な痛み以外の心配事についてもできる限り対応出来るようスタッフ一同心がけております。 また、地域で緩和ケア病棟を持つ医療機関と密接に連携し、より質の高い緩和ケア医療へスムーズ に移行できるよう積極的に支援させて頂いております。
地域医療連携室
当院には国立がん研究センターが認定する「認定がん専門 相談員」の資格を持った医療ソーシャルワーカーがおりま す。患者様ご本人はもちろん、そのご家族の方が抱える課 題を明らかにし、不安や悩みを受け止め、よりよい選択肢 を一緒になって考えていく相談室もございます。また、が んについて「もっと詳しい内容を知りたい」「より専門的な 相談に乗ってほしい」という方には、津軽地域のがん診療 連携拠点病院である弘前大学医学部附属病院のがん相談支 援センターをご紹介致します。
[地域医療連携室よりコメント]
日本人の2人に1人ががんになると言われています。 がん治療も日々進歩を続けています。 しかし、がんと宣告されればショックを受けるのは当然のことです。 誰にも話したくないと考えてしまう方もいるかもしれません。 でも、決して1人で悩まず、周りの方に相談してください。 大切なのは「1人で考え込まない」こと、 「正しい情報を得て正しい治療を受ける」ことです。 治療しながら診断前と同じように日常生活を送っている方やお仕事を続けて いる方もたくさんいらっしゃいます。 もし、周りに相談できる方がいないなら、迷わずいつでも相談室へお越し ください。お待ちしております。